手術をしたくない方へ
下肢静脈瘤と聞くと、「やはり手術が必要なのでは」と心配になる方は少なくありません。一方で、「できれば切らずに様子をみたい」「まずは日常生活でできることから始めたい」と考える方も多くいらっしゃいます。実際、下肢静脈瘤のすべてがすぐに手術の対象になるわけではなく、症状の程度や血液の逆流の状態によっては、まず保存的な対応で経過をみることがあります。
沼津血管外科クリニックでは、手術ありきでお話を進めることはしていません。脚の血管の状態を検査で確認したうえで、今は保存的な方法でよいのか、それとも別の治療を考えた方がよいのかを、患者さんのお気持ちも大切にしながら一緒に考えていきます。下肢静脈瘤は、弾性ストッキングや運動療法で症状の負担を軽くできることもあります。反対に、保存的な方法だけでは十分でないこともあります。だからこそ、今の状態に合った選択をすることが大切です。
手術をしたくない方に行うことがある対応
下肢静脈瘤に対する手術以外の方法として、よく行われるのが弾性ストッキング圧迫療法と、運動療法、体操、生活習慣の見直しです。これらは、逆流している静脈そのものを元に戻す治療ではありませんが、脚の血流を助け、むくみや重だるさをやわらげたり、進行をゆるやかにしたりする目的で行います。
次のような方では、まず保存的な方法を検討することがあります。
- 症状が比較的軽い方
- すぐに手術を受けるほどではないと考えられる方
- まずは体への負担が少ない方法から始めたい方
- 生活の都合ですぐの処置が難しい方
- 治療が本当に必要かどうか、少し考えたい方
ただし、皮膚の色の変化や湿疹、傷の治りにくさなどが出ている場合は、保存的な方法だけでは十分でないこともあります。そのため、自己判断だけで長く様子をみるのではなく、定期的に状態を確認することが大切です。
弾性ストッキング圧迫療法
弾性ストッキングは、医療用に作られたストッキングです。足首の圧力がもっとも強く、上へ向かうほど段階的に圧が弱くなるよう設計されており、脚に適度な圧をかけることで、余分な水分や血液がたまりにくい状態を助けます。これによって静脈の働きを補い、脚のむくみやだるさの軽減をめざします。
下肢静脈瘤に対して使う場合、弾性ストッキングで病気そのものが治るわけではありません。ただ、現状維持を目指したり、病状の進行をゆるやかにしたりすることは期待できます。とくに、逆流はあるけれど、すぐに処置を考える段階ではない方には取り入れやすい方法です。
正しい着用が大切です
弾性ストッキングは、ただ履けばよいというものではありません。サイズや圧の強さ、丈の長さが合っていないと、十分な効果が得られないだけでなく、締めつけによる痛みや血流障害などの原因になることがあります。そのため、着用にあたっては、医師や弾性ストッキングコンダクターなどの有資格者から、適切な説明を受けることが大切です。
当院でも、症状や脚の状態に応じて、無理のない使い方をご案内しています。
弾性ストッキングの装着手順
- ストッキングに手を入れ、「かかと部分」を内側からつまみます。
- そのままストッキングをひっくり返します。
- かかとを下側にして両手で左右に押し広げ、足先からかかとまで入れます。
- かかとの位置を合わせたら、裏返った部分を足首からふくらはぎ、膝へと少しずつたくし上げながら履きます。
- しわができないよう全体を整えます。
普通のストッキングのように、かかとのところでたわませながら引き上げようとすると、生地が伸びにくいため履きにくくなります。裏返して少しずつたくし上げるのがポイントです。脱ぐときも、ずり下げるのではなく、裏返すように外すと扱いやすくなります。
装着時の注意
- しわができないよう均一に履く
- 折り返して装着しない
- 伝線や破れがあるものは使い続けない
- 足先をはさみで切るなど加工しない
- 尖った爪、ささくれ、鋭利なものに注意する
折り返して履くと、一部分だけ圧が強くかかり、痛みや血流障害の原因になることがあります。しびれや強い違和感がある場合は、無理をせずご相談ください。
運動療法・体操について
軽度の下肢静脈瘤では、運動療法や生活習慣の改善を続けることで、症状の進行をゆるやかにできることがあります。ここで大切なのは、激しい運動ではなく、ふくらはぎの筋肉をしっかり動かすことです。
ふくらはぎには、脚にたまった血液を心臓へ押し戻す「筋ポンプ作用」があります。筋ポンプ作用とは、筋肉の動きによって血液を上へ送る働きのことです。歩く、つま先立ちをする、足首を動かすといったシンプルな動きでも、この働きを助けることができます。
日常生活の中で意識したいこと
下肢静脈瘤の症状がある方、あるいは予防も意識したい方には、次のような工夫が取り入れやすいです。
- 毎日、ふくらはぎを意識して歩く
- 太り過ぎに気をつける
- ハイヒールを長時間続けない
- 体を強く締め付ける下着や衣類を避ける
- 立ち仕事では1から2時間に一度は休憩をとる
- 休憩時には脚を少し高くして休む
- 立ち仕事中も棒立ちを避け、足踏みやつま先立ちをする
- デスクワークでは長時間同じ姿勢を続けない
- 座っているときも足首を動かす
- 就寝時は脚を体より少し高くする
こうした工夫は、下肢静脈瘤の症状をやわらげるだけでなく、進行予防にもつながります。
症状改善体操を日常に取り入れる
下肢静脈瘤の症状改善には、体操も役立つことがあります。毎日長時間行う必要はなく、短い時間でも続けることが大切です。脚のむくみや静脈のふくらみは、午前中よりも午後から夕方、夜にかけて目立ちやすくなることが多いため、昼頃から夕方に体操を取り入れると続けやすい方もいらっしゃいます。
つま先立ち体操
仕事中でも取り入れやすい体操です。転倒しないよう、壁や机につかまりながら行います。背筋を伸ばして立ち、両足のかかとをゆっくり上げてつま先立ちになり、ゆっくり元に戻します。これを10回程度繰り返します。さらに足踏みや軽い屈伸を1時間に1回ほど取り入れると、ふくらはぎを動かすきっかけになります。
足をバタバタする体操
デスクワークの方には、座ったままできる体操が向いています。椅子に浅く腰掛け、背中を背もたれにつけ、足を肩幅に開いて前に軽く伸ばします。かかとは床につけたまま、つま先をゆっくり手前に引き、そのあと前へ伸ばします。これを10回繰り返し、3セットほど行います。慣れてきたら、足首をゆっくり回す動きも加えてみてください。
寝たまま手足を上げてブルブル体操
寝たままできる方法です。床やベッドに仰向けになり、両手両足を天井に向けて持ち上げます。難しい場合は足だけでも大丈夫です。その状態で、小刻みにブルブルと揺らすように動かし、30数えます。これを3回繰り返します。昼と夜の1日2回を目安に取り入れる方法もあります。
足のマッサージ
足のむくみをやわらげたいときは、やさしくさするようなマッサージを取り入れる方法もあります。太もも、ふくらはぎの順番で、下から上へ流すように触れるのがポイントです。強く押し込む必要はなく、やさしく行う方が続けやすいです。
保存的な方法だけでは難しいこともあります
弾性ストッキングや運動療法は、下肢静脈瘤そのものを完全に治す方法ではありません。あくまで、症状の負担を軽くしたり、進行をゆるやかにしたりするための方法です。そのため、努力を続けていても、むくみやだるさが改善しない、血管のふくらみが大きくなる、皮膚に変化が出てくるといったことがあります。
その場合は、「頑張りが足りない」ということではなく、今の状態に別の治療が必要なのかもしれません。保存的な方法を続けながらでも、定期的に状態を確認し、必要に応じて治療方針を見直すことが大切です。
手術をしたくない方へについてのよくある質問
Q1. 弾性ストッキングだけで下肢静脈瘤は治りますか
A1. 弾性ストッキングは、むくみやだるさの軽減、進行予防には役立つことがありますが、逆流している静脈そのものを治す方法ではありません。状態によっては別の治療が必要になることがあります。
Q2. 手術をしなくてもずっと様子をみて大丈夫ですか
A2. 軽い段階であれば、まず保存的な方法で経過をみることもあります。ただし、皮膚の色の変化、湿疹、傷の治りにくさなどがある場合は、早めに状態を確認した方がよいことがあります。
Q3. 体操はいつ行うのがよいですか
A3. 症状が出やすい午後から夕方に取り入れやすい方も多いです。大切なのは、無理をせず、毎日少しずつでも続けることです。
Q4. 市販のストッキングでも大丈夫ですか
A4. 市販品でも使われることはありますが、症状や脚の状態に合った圧の強さや長さを選ぶことが大切です。合わないものは、十分な効果が得られないこともあります。
院長より
下肢静脈瘤で来院される方の中には、「できれば手術は避けたいです」と率直に話してくださる方がたくさんいらっしゃいます。そのお気持ちは、とても自然なものだと思います。私たちも、最初から処置を前提にお話しすることはありません。まずは、今の症状がどの程度なのか、血液の逆流がどこまであるのか、日常生活にどれだけ影響しているのかを丁寧に確認します。
沼津血管外科クリニックでは、保存的な対応を希望される方にも、弾性ストッキングの選び方や使い方、生活の中でできる工夫をできるだけわかりやすくご案内しています。一方で、保存的な方法だけでは難しい状態の方には、その理由も曖昧にせずにお伝えします。無理にすすめないこと、必要なことはきちんと説明すること。その両方を大切にしながら診療しています。沼津市周辺で、下肢静脈瘤の手術以外の方法を知りたい方、まずは相談から始めたい方は、どうぞお気軽にご来院ください。
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